【公式】香ばしい町並みブログ ~昭和レトロな町並み~

当ブログでは日本各地にある「どこか懐かしく、ノスタルジーを感じさせる」昭和レトロな町並みや建物をご紹介していきます

著者プロフィール

  • プロフィール

「香ばしい町並みブログ」運営者、山本 有(やまもと ゆう)と申します。
1975年茨城県鹿嶋市生まれ。普段は会社員として働きながら、休日には全国の昭和商店街を歩き、撮影・記録を続けています。

この活動は2010年にブログを開設したことから始まり、現在までに28都道府県・640か所以上の商店街を訪問。2013年からはX(旧Twitter@koubashimachiでも発信を続けています。

2023年には、これまでの記録をもとにした著書
📕『昭和の商店街遺跡、撮り倒した590箇所』(303BOOKS)を刊行。
全国の書店や図書館でご紹介いただき、日経新聞文化面、AERA、女性セブン、旅行読売など多くのメディアでも取り上げられました。2025年5月には文化放送「編集長 稲垣吾郎」にて、稲垣吾郎さんと昭和の風景について語り合う機会をいただきました。

商店街は、ただの買い物の場ではなく、店主たちによる集合芸術だと考えています。
シャッターの塗装、手描き看板、品揃えの絶妙なバランス――そのすべてが、まちの記憶をかたちにしています。
「今、撮らないと消えてしまう」。そう思いながら、一枚ずつシャッターを切ってきました。

 

登壇・講演・寄稿のご依頼もお受けしております(社内教育機関での実績あり)。
小売・IT分野を中心に本部勤務歴が長く、現場と企画の両面を経験してきた立場から、都市と文化の交差点に立つ視点でお話しできます。お気軽にお問い合わせください。

✏️ 昭和の商店街や鉄道風景のイラストも制作しています。

📮 連絡先や最新情報は → プロフィール・実績まとめページへ

nutackkashima@gmail.com
📺 Youtubeでは、商店街探訪やレトロ商店街ポエムも詠んでいます

著者近影

【おもな掲載・出演履歴】

文化放送 「編集長稲垣吾郎」で稲垣吾郎氏と対談(2025年5月3日放送)

www.joqr.co.jp

日本経済新聞 文化面(2024.3.11朝刊)

www.nikkei.com

AERA(2023年11月6日号)

dot.asahi.com

・女性セブン(2024年3月14日号)

www.news-postseven.com

東洋経済オンライン(2024年8月9日)

toyokeizai.net

 

著者作成イラスト

 

引用・ご紹介についてのご案内

いつもご覧いただきありがとうございます。
当ブログ並びにインスタ、Xアカウント @koubashimachi(香ばしい町並み)での発信内容については、以下の範囲で引用、二次利用を歓迎しております。


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■ご自由にご活用いただけるケース(謝礼、事前許諾不要)

・官庁・独立行政法人自治体・大学・学校・研究機関、図書館、商工会等での講義・研修資料。

 

 

※営利を目的とした利用、商用利用、雑誌等へのご利用につきましては、恐れいりますが事前にご相談下さい。

nutackkashima@gmail.com

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■出典表記のお願い

ご紹介・引用いただく際は、以下のいずれかの表記をお願い致します:

「@koubashimachi 香ばしい町並み(山本 有)」

「香ばしい町並みブログ(https://koubashimachi.hatenablog.com)」


表記はご都合に合わせて柔軟に構いません。


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■ご連絡について(任意)

もしよろしければ、使用例などをご一報いただければ励みになります。

 ご使用先の機関名や地域名などの固有名詞無しでも全然構いません

 

(使用例のご紹介、公開不要の場合もお知らせ頂ければ対応致します)


もちろん、事前承諾や細かい確認は不要です。
文化・都市・地域にかかわる対話の輪が広がることを心から願っております。

 

2025/7/4追記

公的機関、教育機関、図書館、書店、まちづくり団体などでのご活用も歓迎です。
報告も固有名詞なしで構いません。
「あの風景、〇〇研修で使いました」など一言頂けるだけで、今後の力になります。
まちを記録する行為が、まちを守る行為になりますように。

 


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今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
香ばしい町並み(山本 有)

【御礼】2025.6.27 三省堂書店そごう千葉店で対談イベント実施しました

2025年6月27日に、千葉駅前のそごう千葉店、三省堂書店そごう千葉店さんで、

千葉の郷土史家で「明里」さん(ブログ、Deepランドを運営)と
#ディープ商店街というイベントで対談させていただきました。

 

 同じ版元さんで、私は『昭和の商店街遺跡、撮り倒590箇所』を、
明里さんは『昭和ディープ街トリップ、335カット』を上梓されています。

 

 明里さんはblogで5年間に1,800以上の千葉に関する記事をあげておられ、さらにはZINEや地元の歴史を考える会でも活動され、取材、執筆、出版、即売会に発表と一人でこなされ、大変な熱量で千葉の郷土史に取り組んでおられる方。

 私も商店街はかなりマニアックな場所も巡りましたが、少なくとも千葉の商店街についてはまったくかなわない。

 これは一度是非お話してみたいと熱望しまして、同じ出版社というご縁もあって今回の対談が実現しました。

 全力で取り組んだつもりですが、ひとまずは無事にやりきってほっとしております。

 対談は千葉の商店街を語るという内容で、商店街のどこに着目されているのか、どのように見つけているのかなど明里さんから伺え、とても気づきが多い内容でした。

 

 いや、聴衆の皆様と一緒に楽しめるのが最高です。

 特にふだんなかなか気づくことのない、読者のみなさまのリアルな反応が非常に楽しいひと時でした。

 平日金曜18時と勤め人の方にはお集まりにくい時間の中、遠方から多数ご来場いただき本当にありがとうございます!

 フォロワーさんも複数いらっしゃって、直接お会いする機会が今までほとんどなかったものでとても嬉しく。

 いやもう、対談での気づきやホント読者の皆様とのサイン会での触れ合いや客席の空気が楽しい。

 

お越しになれなかった方のためにも、当日の模様を少々。

 

この日はおおまかには

・商店街の見つけ方

・千葉のおすすめ商店街と、その見どころ

・Q&Aとなりました。

 

 商店街の見つけ方は拙著でも触れましたが、明里さんから伺って印象的だったのは、「銭湯や郵便局、役所、江戸期の城跡などはその近辺に商店街があることが多く、そこから探す」というものでした。

 いずれもそこを中心に街ができる、人が集まる場所ですから。

 私も市役所や城跡はチェックしていましたが、銭湯や郵便局はなるほどと。

 特に伺いたかったのは、ネット上に情報が全くない明治時代と思われる郵便局舎を捜し当てたストーリー。

 明里さんは、航空写真やストリートビューを駆使されて見つけたとのことで、テクニックもさることながら熱意の高さは非常に驚かされました。

 また、埋立地の昭和や全国の商店街を扱ったZINEへの言及では、お互い知っているZINEがいくつも登場し、接点の多さも驚き。

いや、対談も気づきが多く楽しい。

 

千葉のおすすめ商店街は、私は佐原の再生ストーリー、10年ちょっと前の京成八幡

木更津もちょっと話せたかな?

明里さんは、野田の近代建築、都会的な柏、寂れと再生の花見川団地、独特の埋立地の雰囲気、検見川浜から稲毛海岸にかけての埋立地に点在するショッピングセンター、朽ちてゆくレインボーショッピングセンター、などのお話でありました。

 柏はノーマークでしたが、そごうの回転展望台のお話などは、自分も小さい頃によその回転展望台に連れていってもらった記憶があり懐かしいなと拝聴。

 写真の構図も、柏そごうをバックに古い町並みとあわさったもので、こういう視点があるのかと真似したくなるほど。残念ながら柏そごうはもうなくなったとのことですが。。

 明里さん紹介の夜の松戸は渋谷のようで、地元もこういった見つめ方がある、何もないことなど決してない、というのが明里さんらしい。

 埋立地や再開発地区に着目される明里さんの視点は、私が注視する「残存する風景」と通じるものがありました。

 

 そしてQAでは様々なご質問を頂きましたが、思いのほか町並みに関するご質問も(私のフォロワーさんはレトロ好きな方の他、クリエイター系のプロの方は複数おられると思っておりましたが、公共系の方も結構いらっしゃるようで、私のような商店街を歩き回っているブログに対し、プロフェッショナルな方から注目を集めているのは驚き、栄誉な事であると思いました)

私がお答えした範囲で(ご参加されなかった方も気になる項目かなと)


「お店の方にどうやってお声をかけて写真を撮ればよいですか?」

→これは私も意外と気が小さくて長年試行錯誤して、まあ外観をパッととるスタイルも多いのですが、どうしても店内を撮りたいときは、

「昔ながらの古い商店街の写真を撮るのが好きで、撮り歩いています。人は映らないようにしますので、店内の写真を撮らせてもらってもよいですか」

と趣味用の名刺を渡してご挨拶するようにしてます。パブリックスペースであっても店内は要許可ですね。外観ならほぼ許可はいらないんですが、場所によっては私道扱いで撮影が許可制のところもあります(現地に行くと明示されてますが、新宿のG街や京都のN市場が外観も許可制とWEBで明示、大垣のキャッスル街は近年撮影禁止になった模様。。)
たいていgoogleのクチコミにもあるので、喜び勇んでいく前に、対応可能な範囲か確認はするようにしてます。(特に書籍やTVなど二次利用が難しくなるので、基本的にはガチガチの許可制の場所は避けてます)

 また、有名になりすぎて観光公害化で撮影禁止になってしまった場所も過去にあり、なかなかむつかしいところではあります。

 

「職質された経験は?」

これが意外とないんです(笑)逆にがたいがデカイので警察官だと思われることはあります。本業は民間の社内SEですがw

 ポイントは、堂々としていることと、同じ場所をあまりウロウロしないこと(私がそそるスポットでも、他人から見ると、なんであんな場所撮ってるんだ?と見えなくもないので)

 あと、一番良いのは雑貨屋や食料品店によって、何か軽く買って商店街の歴史など聞いて「こういった風景好きなので撮りあるいんでるんですよー」と言うのもよいかも。

挨拶すると警戒心も薄れます。さすがに魚屋さんしかないときなど持って帰れないのでムリですが(笑)

 そういう場合は、一発勝負でさっと撮るのと、極力人は撮らない。撮るつもりなくても誤解を受ける挙動はつとめて自制(すくなくとも目線があっている人や、こちらに向かってくる人がいるときは、無用の誤解を防ぐためにもカメラを構えない)ようにしています。

 誤解を招かないのが一番ですね。

 

「うまくいっている商店街とそうでない場所の違いは」

これはかなり深いテーマで、フォロワーさんも公共クラスタの方が多いので

ご興味のテーマかなと思います。

 相当調べこむとまた違った見方もあると思いますが、街歩き的な商店主、お客さんの視点から見ますと

 商店街がそもそも衰退した要因の大きなものは

インフラ面では

・自動車の普及。鉄道やバスから自動車へ。田舎は一家に一台どころか一人1台

 ゆえに、道が狭く駐車場が少ないと不利

・病院や大学、役所の移転、市電の廃止などで動線が変わる

・交通が不便すぎる(大都会の場合、駅から近い商店街が生き残りやすい)

 

 商店の面では

・常連客以外入りにくい雰囲気がある(何か買わないと出にくい雰囲気)

・いつやってるかわからない(2度閉まってたらもう行かなくなる)

・空き店舗も住居として使っているので他人に貸せないし、貸すのも賃貸借契約

リスクはあるのであえてやりたくない

 

 などなどいろいろありますが、佐原や豊後高田、伊勢のおかげ横丁(一見古そうに見えて実は平成にできた町)など、やりようによっては人を呼べるところも多くあります。

 私も観察はプロですが、商店街再生のプロではないのでこれや!といううまい方程式は無いのですが、何かヒントになれば幸いです。

 ただ、うまくいっている商店街はやはり共通項があり、そこがカギかなーとも思います。若い人が店を出しやすいところ、他にない古い雰囲気(超重要)が残されている、うまく活用している、そのうえで(これら素地がある大前提をもとに)プロモーションやイベントを定期的に行っているところが、うまくいっているようです。

 

 と、本題の商店街巡りというより拙著の巻末コラム続編のようなお話でしたが、

当日参加したいけど無理だった方々にも当日の空気を少しでもお伝えしたく。

 

【千葉県・木更津市】木更津ウロウロ歩き2025・其の2 ~香ばしき木更津~

(2025年6月撮影)

Xはしょっちゅう更新(@koubashimachi)してるのですが、もともとメインはブログですし、楽しみにされている方も多いと思いますので頑張ります☆

 

 木更津は古い町並みが随所に残っていて、何度も訪れた場所の一つ。

手元の写真を見ると、前回訪れたのは2012年3月で実に13年半ぶり!

 紅雲堂書店の廃業後の様子が気になったのが再再再訪のきっかけですが、

それ以外の場所も気になり、6月中旬の暑い中、平日の木更津を歩き回っておりました。

 

 中橋食堂を後に少し歩きまして、山田眼科へ。

ここは超有名物件ですが、変わらず残っておりました。

 オレンジ色になっていますが、旧国鉄の駅名版のような看板が素敵。

大正から昭和初期にかけて建築されたようで、随所に大正ロマン風味が漂う

内部の様子は2021年に、明里さんのDeepランドの記事に詳しく(先日は対談ありがとうございました)


少し戻りまして、旧金田屋洋品店に到達。
1932年(昭和7年)の建築。

木更津観光協会のサイトによると、江戸時代から続く薬屋の分店として

開業したものだという。

 

 1985年頃から空き店舗となっていたが、2015年(平成27年)からは、アンティークショップ兼時計修理店の金田屋リヒトミューレとして現在に至るとのこと。

 訪問日は平日ということもあってお店はお休み。

 

 この独特の意匠の窓枠が実によい。

 

 数軒おとなりの紅雲堂書店へ。

2023年暮れに閉店し、現在は地元の不動産会社の所有となっております。

人の気配がありませんが、電気は通って表の水槽も手入れされており、掲示物もそのまま。金田屋さんのように何かうまく再生されればよいのですが。。

紅雲堂書店の営業中の様子は、暮ラシカルデザイン編集室さんのサイトに詳しく
記事が2本もありました

残したい、本屋の生き様 木更津

 この本が積み重なったイラストはお店のトレードマークのようで、下記の記事に

書店の栞や判子に登場します。いいですねぇ。
郷愁漂う黄昏の港町で


 この書店は江戸時代は乾物屋として開業し、明治元年に書店としてできたとの由。

建物もその当時のもので、店内の引き戸の上には江戸建築独特の戸袋があるとか。

 

 浮き出た文字も健在。どこか昔の中国建築のような雰囲気。

 

 別アングルから。夜に軒下や店内の電気が灯っているいる姿を見たかった。。

 

 商家における帝冠様式と勝手に思っている(九段会館とか愛知県庁とかの建築様式)
蔵KURA。現在は飲食店として2024年からリスタートしたそうで、
建物は明治期のもの。
 ここも金田屋同様に空き家状態であったものを再生したとのこと。

 

 数分ほど歩いて角を曲がると、中片街という行灯があちこちにある通りに。

ここも明治期と思われる商家が随所に。

港町らしく海苔専門店が現役

 お隣は昭和としては近代的なビルジング風な建物。

おそらく高度成長期などは業務拡張で「オフィス」として機能してたのかなあと思いをはせながら。

 

 この界隈は問屋街のようで、蔵を持った商家建築が多い

 

 反対側から見ますと3連建築!

増築したのか、もともとこういう作りなのかわかりませんが、重なっているのがなんとも特徴的で目を惹く

 

 終端は気になっていた魚屋さん。残念ながら営業してなさそうでした。。

 

木更津の散策まだ続きます

 


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【千葉県・木更津市】木更津ウロウロ歩き2025・其の1 ~香ばしき木更津~

(2025年6月撮影)

 

木更津は古い建物が非常に多く、2010年代に何度も足を運んだ街。

最近はとんとご無沙汰で、紅雲堂書店が昨年に閉店したこともあって現況が気になり

思い立って訪問。

 

JR木更津駅

 内房線では館山と並んで周辺の駅を管理する駅でもあり、車掌や運転士など乗務員も配置されている運転上の中心駅でもあり規模は大きい。

 

 前回訪問時は気が付きませんでしたが、駅ビル1階に昭和テイストなつけ麺屋が!
看板の雰囲気、SLという名称に国鉄線のマーク・・・これはもう、かつての国鉄直営店の生き残りか、JR発足後しばらくあったJR直営店の名残では、と直感。

 あとで調べたところ、NRE(旧日本食堂)が大王つけ麺のFC店舗として、かつては津田沼海浜幕張に展開していたそうで、最後の1店舗でした。(今もNRE直営かは不明)

 なるほど、全体的にテツの香りがしたはずであります。

開店は11時からで、たまたま開店直前でしたが、令和7年6月現在、しっかり営業しています。タンメンが有名。

 駅を出てすぐ右手(北側)にある、中橋食堂(2012年2月に閉店)
お隣の模型の国は1957年創業、2013年5月閉店で、閉店から12年以上経過し
自然に帰りつつありました。

定点観測。2012年3月撮影。食堂は撮影の前月閉店したばかりで、

模型店はこの翌年に閉店しました。

定点観測・2009年4月撮影

2008年10月撮影

2008年10月の初訪問時に見たとき、手書きの看板のインパクトに大変驚きまして、
木更津キャッツアイの放映直後ということもあって、てっきりロケセットなのかと思いこんでいました。

 隣の模型店との対比も印象深く、木更津訪問の都度チェックするポイントの一つでありました。

ここも防火建築っぽく、昭和感バリバリな雰囲気に惹かれて。

Deepランドの明里さんが2023年に、手前の森田屋本店に来訪されて記事にされています。撮影時はたまたまお休みでありましたが、やはり目をつけるところは同じであったようです(笑)

すぐ隣も似た雰囲気のビル。同時期だと思いますが1960-70年代のビルは、全面ガラス張り(ただし今と違ってサッシがまだメイン)で、当時は最先端であったのが感じられます。

 さらに同じ通りを少し歩くといい雰囲気の魚屋さん。

こじんまりした雰囲気が実に良き。冷蔵ケース、奥には業務用の大きな冷蔵庫。

いちいちよい。

木更津の散策、まだまだ続きます。ほんとディープで歩きがいのある場所で、1時間以上歩き回っておりました。

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【商店街ポエム】路地裏の商店街

なぜ、狭い路地裏の商店街を見ると胸が高なるのか──

それは「いま、ちゃんと見ておかないと、消えてしまう」からだと思う。
雑多で、古びて、暗い。

 でも、長年の営みからくる最適解と熱量が店先や商品の並べ方ひとつひとつに
滲みだし、街を彩る。その光景は儚く、とても愛おしい。

 商店街とは、店主たちによる集合芸術なのだ。
だからこそ今、記録しておきたい。

 

【東京・世田谷区】代田橋駅前、マルヤス玩具店最後の日~2025.5.17~

(2025年5月16日撮影)

 5月上旬に閉店したと聞いていましたが、なんとシャッターが開いて電気が点いている!

 これは!もしや!

 

 はやる気持ちを抑えつつ、間もなく消えてしまう建物を反対側から撮影。

典型的な看板建築ですが、2階の戸袋、タミヤ看板の横にある丸安の造作に着目。

今の屋号と一致しておりますので、恐らくこの建物ができた当初から

家主が変わっていないのだろうなと推測。


ショウ・ケースは数点ほど玩具があり、ケースごしに店内をうかがうとほぼ空っぽに近い状態ながら、いくつか値下げされた値札の付いた商品はあり、直感で

「これは最終売り尽くし最末期(営業中)にちがいない」と判断。

 買って帰ろうかな、、と思っていたおもちゃもあったので思い切って店内へ

(店内は許可を得て撮影)

まずはお土産用のおもちゃを買い求めた後、お会計しながら、文筆用の名刺を

渡しまして(吉田類先生風味に浜マーケットに佇むアレ)

「実はこういう者で山本と申します。本を1冊しか出してないのに作家と名乗っておりますが、古い商店街が好きであちこち訪ね歩いています」と来意を告げました。

 

 店主の初老の男性は非常に感じの良い方で、お店の歴史を伺いました。

それによりますと、

 

このお店は、私の親父、先代が開いたお店でハッキリした年号は覚えていないが昭和22~23年に開業した。先代は「これからは子供の時代なんだから子供を大事にしないといけない」と言っていたが、まさにその通りの時代であった。

 今日は最終営業でお店の片づけをしていて、明日(2025/5/17土曜)にポスターなどをはがして閉店。週明け月曜(2025/5/19)には重機を入れて解体工事に入る、、、とのことでした。

 

 店主とは、無くなってしまった下高井戸駅前市場の魚屋さんの話で盛り上がりました。左手にあった貝を売っていた魚屋で、いまも移転して営業をつづけているとの事。鮮度が非常によく、ことにアジの開きはよかった、、、とかつて私も訪れた商店街トークで盛り上がりました。

 

もう、明後日にはなくなってしまう店内。かつておもちゃがびっしり並んでいた

頃を見たかったのですが、こうして最終日に見られただけでも幸運です。

かつて多くの子供たちでにぎわったであろう店内。
天板の黒ずみ、多くの子供たちの夢とあこがれも詰まっているのでしょう。

 今回は資料としての撮影なのであまり「映え」要素はないのですが、

かつての玩具店のレイアウトを後世に残したく、お付き合いください。

 

こうやってみると、ちょっとした規模の売場であったことが分かります。

Rを得抱いた棚の真ん中はレジスペースですが、左手奥は事務スペース。

昔の百貨店などの作りとにていて、店員さんが何人かいるお店の作り。

 

 さまざまな規格の棚やガラスケースが並び、おそらく時代を重ねる中で取扱品目をふやしていったのでしょう。

 かつては鉄道模型タミヤのプラモデルも扱っていたとのこと。

 

  棚にはわずかに残ったおもちゃたち。私も数個を所望。

残ったおもちゃたちもどうか貰われていくことを願いつつ。。

 

 アンパンマンは昔からテッパンで人気で、最近では朝の連続テレビ小説「あんぱん」の影響もあって特に年配者の方に売れたそう。在庫も最後の1個だけでした 

 入口の床の擦り切れ具合も年季を感じさせます。

 かつての子供たちが60近くなって孫を連れてくるようになるのを見ると

「長年同じ商売を続けてきてよかった」と感じるそう。

 

取材だと思われたようで、わざわざ店主が外壁も案内してくださり、この石板はとても珍しく自慢で、昭和30年頃に改築した時のものとのこと。

 建物も看板建築ですが昭和22-23年にできた当時のままと。

 ここも週明け月曜には重機を入れてここに穴をあけ、解体工事に入ると

告知版を見ながら笑顔で仰っていました。

 江古田市場の時も、千駄ヶ谷の外苑マーケットのタバコ屋のおばあちゃんもそうだったんですが、悲壮感とかわびしさとかなくって、「やりきった人の笑顔」がとても印象的でありました。

 私も昔、スーパーの雇われ店長で商売の現場を5年ほど必死でかじってましたので

どこか通じるものがありました。

 

「丸安 の左官細工、今ではとても珍しいですよね。屋号が同じなので創業の時から同じご経営なのですか?」と伺うと、親父の代からで2代目とのこと。

 タミヤの看板も非常に珍しいと聞いていて、解体の時に親父の思い出でもある丸安の

細工と、タミヤの看板はそう大きなものでもないから外して置いておこうと思う、

とのことでした。

 店主に御礼を述べて、買った玩具を手に外へ。

たまたま思いがけず最終営業日に伺うことができ、しかも大変貴重なお話も聞けて、

やはり思ったらすぐ動くことと、お店に入ってみることは大事ですね。

しかし解体3日前の訪問と、狙ったわけではないのですが、まさに「今撮らなければ、消えてしまう」撮影行でした。

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